良い動きとは何か?-09-【ヒストリー01】

今回のブログから数回にわたり、私が滑らかさとエネルギー効率という観点で動きをみる様になった経緯をお伝えします。あの物理学者も登場します。

2010年の春、理学療法士免許を取得した私は、栃木県鹿沼市にある整形外科クリニックに入職します。入院の設備は無く、外来の患者さんをみるクリニックです。

新人だった私は、「良い治療をして結果を出すぞ!」と意気込んでいたのですが、現実は甘くない事をすぐに知りました。

「担当の理学療法士を別の人に変えてください」。この様な出来事が頻繁に起こります。腕は悪い、怒りっぽい、あまりしゃべらない、髪型丸坊主・・、まあ当然の結果だったのだと思います。

この状況は、正直とても悔しかったです。とはいえ、おしゃべりはあまり好きではない、怒りっぽい性格も中々変えられない。人が変わるのは大変だと思いました。それでも何かを変えないといけない。そうなると残りの選択肢は、腕を上げるか髪型をアイザック・ニュートンの様に長くするかしかないのです。

私は腕を上げる事を目指しました。とはいえ、腕を上げるとはどう言う事か、分かっているはずはありませんでした。私にとって幸運だったのは、職場環境に恵まれていたと言う事です。周りには結果を出す優秀な先輩がいました。また、「リスク管理ができていれば、何をしてもいい」という部長の教えのもと、責任の伴う自由が与えられていました。

入職してから3年、ひたすら様々なセミナーに参加しました。腕を上げるにはどうしたらいいのか、暗中模索の日々でした。その中、多くの素晴らし先生に出会いました。様々な話を聞きました。そして、神奈川県のある先生と話をする中で、「動きをみる」という言葉が私の心の中に深く入ってきました。私は少しずつ、自分の役割は患者さんの身体の動きを良くする事であろう、と考える様になりました。

身体の動きを良くするためには、そもそも「良い動きとは何か?」が分かっている必要があります。これが、「良い動きとは何か?」を探求するきっかけです。このブログのタイトルですね。次回に続きます。

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