猫背は本当にダメなのか?-05

本日は「猫背は本当にダメなのか?」シリーズの最終回です。これまでに書いてきた事を振り返りつつ、このシリーズのまとめを行いたいと思います。

まずは、以下の図をご覧ください。

座位姿勢の比較-1

このシリーズの初回に私は、AとEの姿勢を❌、B・C・Dの姿勢を⭕️と評価しました。

座位姿勢の比較-2

⭕️と評価したのは、B・C・Dの3つです。

⭕️

Dの姿勢を私は、「伸び背」と呼んでいます。一般的にこの姿勢のイメージは良いです。たしかに、上を向く際には「伸び背」の姿勢が適しています。しかし、全ての状況で「伸び背」が適切な姿勢という訳ではありません。

Bの姿勢は、「猫背」と呼ばれています。一般的にこの姿勢のイメージはあまり良くありません。しかし、『猫ふんじゃった』をピアノで弾くなど、下を向く際には「猫背」の姿勢が適しています。したがって私は、「猫背」は「伸び背」と同様に必要な姿勢である、と考えます。

「姿勢を正す」という言葉があります。日常生活の中で聞かれる事も多いと思います。一般的に「姿勢を正す」際には、正面を見る事が多いです。正面を見る際にはCの姿勢が適しているでしょう。したがって私は、「姿勢を正す」際にはCの姿勢がとれれば十分である、と考えます。

B・C・Dの3つの姿勢を運動学の用語で表すと、次の様になるでしょう。

座位姿勢の比較-3

Bの姿勢が屈曲位、Cの姿勢が中間位、Dの姿勢が伸展位です。中間位を基本として、必要に応じて屈曲位や伸展位にスムーズに移行できる事が重要です。

どの姿勢になる際も、以下の条件が満たされていれば、うまく座る事が可能になるでしょう。

座位姿勢のコツ

リラックスして座骨にうまく荷重して座りましょう。姿勢のコントロールをする際は、腹部深層を含む身体の芯を使うといいでしょう。身体の芯を使って姿勢を正したり、猫背や伸び背になれる能力は、一生の財産になるはずです。

ところで、このシリーズでは横から見た座位姿勢についての記事を書きました。しかし、正面から見た座位姿勢もあるはずです。つまり、前後ではなく左右の動きです。

座骨は左右に1つずつあります。両方の座骨に荷重した座位姿勢もあれば、右や左の一方に荷重した座位姿勢もあるのです。例えば、デスクワークの中で正面のパソコンを使っている際には、両方の座骨にしっかり荷重した座位姿勢が望ましいでしょう。その一方で、右側にある電話が鳴った際には、右の座骨にうまく荷重できるといいでしょう。また、左側にいる誰かに話しかけられた際には、左の座骨にうまく荷重できるといいでしょう。

座位姿勢の中でうまく側方に重心を移動できる能力は、猫背や伸び背になれる能力と同様に重要です。座位姿勢のコントロールがうまくなれば、身体を痛めるリスクを大きく減らす事が可能になります。

座骨

「猫背は本当にダメなのか?」シリーズは今日で終わりです。次回の記事では、このブログの今後の方向性について書こうと思います。なぜ私がブログを書いているのかについても書こうと思います。

このシリーズの最後に、書を残します。

わたりたかし全力の書

播州太郎「そんな下手な字でよく書いたなー・・」

わたりたかし「『味』と言ってくれ!」

それでは、また次回。

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