良い動きとは何か?-04-【動きと力】

前回のブログでは、「余分な抵抗」という概念を紹介しました。余分な抵抗は、物理的な力が関与する現象です。本日のテーマは「動きと力」です。

そもそも力とは何なのか?英語だと”Force”です。ニュートンの運動方程式によると、「力とは、質量と加速度の積である」と示されています。この方程式を私なりに解釈すると「力とは、動きを変える作用の事である」この様に言えると思います。そして、動きと力の関係性について、以下の2つの事が言えると思います。

  • 動きを変えるには力が必要である
  • 動きが滑らかで無い部位には不適切な力が作用しているはずである

それぞれについて少し説明します。

  • 動きを変えるには力が必要である

物体の動きは、力が作用しなければ変化しません。ですから、地球上で様々な姿勢や動作を行うには、何らかの力が必要であるという事です。そして、良くも悪くも動きを変えるには力が必要です。ですから、身体の動きを良い方向に変えるには、それに適した力が必要であるという事です。

  • 動きが滑らかで無い部位には不適切な力が作用しているはずである

正常であれば身体は滑らかに動くはずです。ですから、ある部位の動きが滑らかで無い場合、その部位には不適切な力が作用しているはず、と考えられます。この考えが「動きの滑らかさ」という観点の形成に役立ちました。

前々回からの3回にわたり、「動きの滑らかさ」に関する記述を行いました。「滑らかな動きとは、余分な抵抗の無い動きの事である」この様な考え方を紹介しました。余分な抵抗を引き起こす要因としてメカニカルストレス、過度な筋緊張、動きの制限を紹介しました。余分な抵抗は、物理的な力が関与する現象であると述べました。動きの滑らかさという観点は、シンプルに言うと「動きと力」の関係性を見ています。

動きの滑らかさを定義するなら、次の様に示せるでしょう。動きの滑らかさとは、その動きに関与した力における余分な抵抗の割合である。身体の内部に余分な抵抗があると、実際に必要とされる力は最低限必要な力よりも大きくなります。余分な抵抗がなければ最低限必要な力で動ける、つまりその動きは滑らかである、という事です。

ひとまず本日のブログで、「動きの滑らかさ」に関する記述は終了です。次回のブログからは、もう1つの大きなテーマである「動きのエネルギー効率」について記述を行います。それでは、また次回。

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